2007年12月アーカイブ


◆イメージ広告とダイレクトレスポンスマーケティング


それでは、我々インディーズミュージシャン、
お金もコネもない、また、住んでいるところも地方で
とても中央では取り上げられる可能性も低い、
そんな人たちが取るべきマーケティング戦略とは?

今日はその辺のお話。


前回のメルマガで、メジャーがとる広告戦略の問題点を挙げました。


●不特定多数に見せる、ということが前提のため、より多くの人に見せる必要が
ある。
(分母の大きさが必要になる。)
●より大きな分母数が必要になるため、莫大な資金が必要になる。
●費用対効果の実数がわかりにくい。


他にも、莫大な資金がかかるので失敗したときのリスクがとてつもなくでかい、
なんてことも言えそうです。


余談ですが、この、「失敗したときのリスクがでかい」ということが実は
大きな問題点で、メジャー業界自身失敗の許されない体質、
いわば、冒険の出来ない2番煎じ、3番煎じばかりのミュージシャンのデビューという
更に救いがたい構造の原因になっているともいえますが。


それでは、僕たちはどうすればいいでしょうか?

その答えは、
メジャーがとる「イメージ広告重視」という戦略ではなく、
「ダイレクトレスポンスマーケティング」という戦略をとるということ。


「ダイレクトレスポンスマーケティング」というとなんか難しそうに聞こえますか?
実はそんなに難しく考えることではありません。
この、「ダイレクトレスポンスマーケティング」という戦略を使った販売は
至る所で見ることが出来ます。


「ダイレクトレスポンスマーケティング」というのは、
自分の販売する商材に関連するものを、無料、もしくは安価に提供し、
その商品に興味ある人を、みずから手を挙げさせ、

その後に、有用な情報をダイレクトに提供することにより、
信頼感をアップさせ(ファンにしていく)
最終的に、目的である商品を販売していく、という方法。


試供品や、モニター募集などをしている商品がまさしくそれです。

有名なところではドモホルンリンクル。

「初めての方にはお売りすることが出来ません」というコピーでイメージ広告を出していますが
その後の戦略はまさしくダイレクトレスポンスマーケティングそのもの。


まず、無料で試していただき、その後のフォローメールやDMで情報を提供しながら
商品購入を促していく。

無料ということで、肌の悩みを持つ属性の人たちが、自ら応募し、
住所、氏名などの情報を記入していく。

そうして集まったリストは、「肌の悩みを持つ者」という属性のリストとなり
そこに対して「肌に対する有用な情報」を提供していくことにより
信頼を得、ファン化をしていく。

そうしてファンになった人たちの商品購入率はイメージ広告だけの戦略とは桁違いとなります。

属性が自分の販売する商品としっかりマッチしていれば、
3割や4割の購入率も夢ではない、ということになります。

イメージ広告戦略は、前回も言ったとおり費用対効果の測定が難しいので
あんまり比べられないのですが、

たとえば1万枚のCDセールスを売り上げるために、視聴率10パーセントの番組に
タイアップとったとします。
(そもそもタイアップそのものが難しいですが(汗))

そうすると、1000万人に聴いてもらったことになるわけです。

1000万人に聴いてもらって、売り上げ1万枚。
実に0.1パーセントの成約率です。

ただし、視聴率10パーセントで5万枚売れるかもしれないし、
20パーセントでも1万枚しか売れないかもしれない。
さっきも言ったとおり、非常に費用対効果がとりにくいんですよね。

でも、これがDRMなら3万人の属性の合っているリストがあれば充分可能ということになります。


これがダイレクトレスポンスマーケティングの基本的な考え方です。
ちなみに許可を得た人にだけアプローチするということで
パーミッション(許可)マーケティングなんていう人もいますが、やっていることは同じことです。


で、これをベースに考えると、

●不特定多数ではない、「音楽を好きな人」という属性に絞った集客をする。
●「音楽を好きな人」という集客をした中から、
更に「あなたの音楽に興味を持つ人」もしくは「あなた自身に興味を持つ人」
という属性に絞ってその集めたお客さんを分ける。
●「あなたの音楽に興味を持つ人」もしくは「あなた自身に興味を持つ人」と分けた人に対して
更に「あなたのファン」になってくれるように情報を発信する。
●「あなたのファンになった人」に対してCDなどを販売していく。

これを徹底的に頭において活動する、それが僕たちがとる戦略の一番大事な部分です。
で、これをネットを中心に活動していく。

属性を絞ることによって莫大な集客をしなくてすむようになります。
少数の集客ですむために、そのためのコストは小額、もしくはほとんどかかりません。
あなたに興味がある人や、あなたのファンになってくれる人だけを相手にしますので
成約率(CDを買ってくれる率)が飛躍的に高まります。


例えば、わかりやすく言うと、
あなたのCDを知らない町の知らないCDショップにおいてもらったとしても
よっぽど宣伝しないと売れません。

でも、すでにあなたのことを知っている音楽仲間なら、何の宣伝もしなくても
それこそ10人に3人や4人は買ってくれるわけです。

この考えをベースにネット上ならどうやってその「音楽仲間」を作り、増やしていくのか。
これを考えてみてください。

SNSを使うのか?
メルマガを使うのか?
サイトの訪問者を増やす努力をするのか?


どの方法をとるにしても、目的はどうやって「音楽仲間」を作り、増やしていくのか、ということです。


ちなみに僕なら、メールやメルマガを最大限に活用する方法をとります。

あなたならどうするか?考えてみてください。

◆何かを伝えたいのか?何かを売りたいのか?


先ほどの話の中で、
●「あなたの音楽に興味を持つ人」もしくは「あなた自身に興味を持つ人」と分けた人に対して
更に「あなたのファン」になってくれるように情報を発信する。

この「ファン化」の部分、ちょっと重要なんで補足です。


例えば、「僕なら、メールやメルマガを最大限に活用する方法をとります」と言いましたが
それは、属性の合うリストを集め、そこにファンになってもらえるような情報を提供していくということ。

これは、音楽に限らず(というかあんまり音楽でこれをやっている人って少ないんですが)
有効な方法で、いろんな分野でいろんな人たちがやっています。

でも、やり方を大きく間違っている人、これも多いです。

ほとんどの人が「売りたい」が先に立ちすぎています。

自分では気がついていないんでしょうけど、売り込みメールになっています。
これでは本来の目的である「ファン化」なんて絶対出来ません。

しかも、そういう人たちは口を揃えて言います。
「売り込みメールはやめましょう」と。

これは、確信犯的にやっているのではなく、気がついていないんだなあと思います。
自分で売り込みメールなんて出していない、自分の情報のほとんどは読者にとっての有用な情報だ、
そんな風に思っているんでしょうね。
(しかもネット上で有名な人ほどこの傾向にあります(汗))


要は、「売りたい」の前に「伝えたい」という気持ちが無いんだろう、と感じます。

ネット使って、メールを使って、
「この気持ちを伝えたい!」「仲間を造りたい!」
その気持ちが希薄なんだろうと。

メールを使ったダイレクトレスポンスマーケティングは効果がある、
だから、リスト集めて、メルマが出さなきゃ、
そうすれば、きっとこの商品を買ってくれるはずだ!


なんて、気持ちでは絶対に読者に気が付かれてしまいますよ。
「売りたい」気持ちを。


さらに僕たちがやっていることは音楽ですから。

「伝えたい」が無ければやる意味が無いんです。


結局、こういうことが起きるのは、パソコンのモニターの向こうには「人間」がいるということを
忘れてしまうから。

ネットはバーチャルでもなんでもなく、間違いなくリアルな「人間」の世界です。

メールを受け取る相手は、実在する「人間」なんです。


しかも、ネットで出会う「人間」は実生活で出会う人間よりも我慢してくれません。
気に入らなければ、メールも読まれない、メルマガも解除されるわけです。

実生活のように、くだらない営業マンの話でもいくらかは我慢して聞いてくれる、
なんていうことは、ネットではありえません。

また、ネットで情報を受け取る側の人間は、「綺麗なもの」を求めています。
理不尽な現実社会で、様々な我慢、忍耐をしている我々は、
ネットの社会では現実社会以上に「綺麗なもの」「正しいもの」を欲しているんです。

そういう意味でネットでの活動は非常にデリケートな面があるんです。


だからこそ、メールの読み手はその発行者の
「伝えたい度」「本気度」を敏感に察知します。


だから、「伝えたい」という気持ちが大事なんです。

もし、自分がメール発行で悩んでいるとき、ちょっと立ち止まったときは
「このメルマガ、俺なら読むだろうか?」と自問自答してください。

せめて、自分なら読まないようなメルマガは出さない、
その気持ちは忘れないようにしましょう。

PS

先ほども言いましたが
僕なら、メールやメルマガを最大限に活用する方法をとります。

そのための、メルマガの活用法については
以前配布した「ミュージシャンのためのメルマガ発行ガイド」の中で触れました。

どうやって属性の合うリストを探すのか?
どうやって属性の合うリストの人たちをファン化していくのか?

その辺のことも書きました。

今回の話から、具体的にどうすればいいの?
という疑問に、ある程度答えています。

ただ、本当は、ここ数回のマーケティングについての話題を追加したかったのですが、
まだ手付かずです(汗)

以前、6人しか請求が無かったのですが(泣)
もしまだ読みたいという方がおられましたら、差し上げますのでメールくださいね(笑)
こちらまで

info@jakebox.net


◆メジャー世界のマーケティング

今回もマーケティングのお話です。

少し退屈な話が続くかもしれませんが、
今までの、メジャーがとる戦略と、
これからの我々インディーズがとるべき戦略の違いを理解するうえでも
必要な部分なんでちょっとお付き合いください。

前回のメルマガの中で、
「タイアップやイメージ広告に頼らない戦略」
ということを言いました。

ここでメジャー業界が現在とっているマーケティングというものを考えて見ましょう。
(細かい話をするとキリが無いので大まかな部分の話です。)

知名度の無い新人アーティストを売り出す場合、
日本の中において最も手っ取り早いのは、タイアップを取って売り出すこと。

CMやドラマ、映画などのテーマソングとして売り出されることです。

不特定多数の人に、繰り返し見せる(聞かせる)ことによって
認知させ、関心を持たせ、広めていくという方法。

実はこれは音楽業界に限ったことではなく、
現在、何かを販売しているほとんどすべての業界が取っている
マーケティング手法です。

不特定多数に繰り返し宣伝する。

テレビCMをはじめとする様々な広告媒体を使い、
より多くの人に、繰り返し見せる(ザイオン効果なんていいますが)ことを
目的とした販売戦略。

これが何かを販売したいといった時の、ほとんどの業界がとっている戦略です。

この戦略、非常に効果が高いマーケティングだと言われ、
そのために、企業は莫大なお金をCMにかけ、
そのCMを流すために、これまた莫大なスポンサー料をテレビ局に払い
だからこそテレビ局も莫大なスポンサー料を支払ってくれる企業に対して
1パーセントでも多く視聴率が取れるような努力をするわけです。

そして音楽業界もその流れの中でタイアップや広告を取ってくる。

効果が無いということになれば、
それだけ莫大なスポンサー料も発生しないことになるんですが・・・。

実はこの戦略、いくつかの問題点があります。

その問題というのは

●不特定多数に見せる、ということが前提のため、より多くの人に見せる必要がある。
(分母の大きさが必要になる。)
●より大きな分母数が必要になるため、莫大な資金が必要になる。
●費用対効果の実数がわかりにくい。

という面です。

不特定多数というのはどれくらいの規模かというと、数千万人という規模。
視聴率10パーセントで1000万人なんて計算を立てるわけです。

そんな数千万人の人に宣伝するんですから
当然資金が莫大にかかるのは当たり前のような気がしますが、
ちょっと、考えてみてください?

不特定多数の人に宣伝しているということは、
まったく関係ない人にもお金を使っているということになります。

免許の必要の無い生活を送っている人にも自動車の宣伝をし
化粧に興味などないほとんどの男性に化粧品の宣伝をし、
パソコンを持ってない人にもインターネット回線の宣伝をする。

まったく関係のない属性の人たちにたいして、
まったく関係のない属性の製品を宣伝している。

非常に無駄なところに宣伝費を使っていることになるんです。

更にそれゆえに、宣伝の効果測定が非常にしにくくなっています。
視聴率で3パーセント落ちた番組の、売り上げに対する影響のデータなんて
取れないわけです。

さらにもうひとつ問題があって、現代人はCMにもうあきあきしています。

見たくも無いものを見せられる、
それはもう嫌なのです。

こういった現在でも主流のマーケティングですが、
この手法を「土足マーケティング」なんていう人もいます。
見たくないものを、無理やりに、何回も見せられるから。
だから、「土足マーケティング」だと。

さて、少しシニカルな口調かもしれませんが(汗)
所謂、メジャーがとる戦略の考え方って基本的にはこれです。

後は少しでも属性を絞るために、音楽雑誌やラジオ、有線を活用する、
といったあたりが付け加えられるでしょうか。

いずれにしても、資金の無いインディーズではほとんど出来ないことばかりですね。

それではどうするか?

インディーズならどんなマーケティング戦略をとればいいのか?

ヒントは、メジャーの問題点の中にあります。

●不特定多数を対象にしている。

●興味の無い人も対象にしている。

●許可を取っていない「土足マーケティング」である。

この問題点をクリアする。

それが、僕たちインディーズがとるべきマーケティング戦略です。

●自分の音楽に興味を持ちそうな人だけを対象とし、

●アプローチすることに許可をもらった人へアプローチし

●その許可をもらった人がファンになってくれるように働きかける。

このあたりが、インディーズの活動の鍵になります。

これを、ネットを使ってどうやっていくか?
ぜひあなたも考えてみてください。

次回、そのあたりを具体的にお話していきます。


PS

例えば、バンドでレコーディングしたCDを1000枚売る。

これが出来るバンドはかなり少ないでしょう。

音楽の良し悪しとは関係なく、
1000枚という数字でさえ普通はかなり高いハードルとなります。

レコーディングやCDを作るハードルというのはここ10年で驚くほど簡単に、身近になりました。

ただ、販売の壁はネットが広がった今でも、
ほとんどのミュージシャンにとって厳しい状況だと思います。

そんな壁を打ち破る手助けというかきっかけになるといいですね。

◆ミュージシャンにとってのマーケティング

さて、マーケティングなんて聞くとちょっと難しく感じるかもしれません。

また、中にはちょっと「音楽」というものの本質から離れ、
後ろめたく感じる人もいるかもしれません。

でも、このマーケティングという言葉、
難しく考える必要も、後ろめたく感じる必要もありません。

「音楽」におけるマーケティングの意味とは、

「一人でも多くの人に自分の音楽を聴いてもらう」、
そのためにはどうすればいいか、何をすればいいか、
それを考える事。

それが、「音楽」におけるマーケティングの意味です。

どうすれば一人でも多くの人に自分の音楽を届けられるだろうか?
どんな工夫をすればいいだろうか?
どんな媒体を使うのが効率的だろうか?
ネットだけでなく、ライブの集客をどうすればいいだろうか?
CDを1枚でも多く買ってもらうにはどうすればいいだろうか?

こういったことはあなたもよく考え、悩んでいると思います。

そういった事を小手先だけのものではなく、総括的に考え、
そのための仕組みを作り上げること。

それが、「音楽」におけるマーケティング、の意味です。

僕はずいぶん前から言い続けてきた事があります。

それは、音楽を拡げるためには3つの能力が必要である、と。

1つ目は、「音楽そのものを創りあげるミュージシャンとしての能力」

2つ目は、「音楽を制作するエンジニアとしての能力」

3つ目は、「創りあげた音楽を人に届けるためのマーケッターとしての能力」

この3つの能力が必要である、そう思うんです。

もちろん3つをすべて自分が持つ必要はありません。
要はその能力を持つスタッフがいればいいわけです。

メジャーであれば当然それぞれの部門に、それぞれのエキスパートが存在していて
それぞれが出来うる限りの仕事をするでしょう。

しかし僕らはインディーズ。
アマチュアです。

使えるスタッフや人材は、せいぜいがバンドメンバーと1部のファンだけ、

いや、結局はほとんどを一人でやらなければいけない、
そんな人も多いと思います。

僕自身がそうです。

曲や詞、アレンジ、オケは自分で作り、歌もほとんど自宅録音。
エンジニアリングの知識も自分流。

当然、拡めるためのアイデア、工夫も自分で考えなければいけません。

たぶん、ほとんどのアマチュアミュージシャンが僕と同じ立場でしょう。

いや、アマチュアミュージシャンに限らず、
自称プロのミュージシャンでも状況は大差ないはずです。

有能なスタッフがつき、充分な広告費をかけてもらえるプロのミュージシャンだって
そう多くはないはず。

一人でも多くの人に聴いてもらいたいと思えば、
いやでも、自分でマーケティングを考えなければいけない
そういうことなんです。

先ほどあげた音楽を広めるために必要な3つの能力、
ミュージシャンとエンジニアリングに関しては、結構みんな努力するんですが
(あたりまえですが(汗))
マーケティングというととたんにしり込みします。
面倒くさくなります。

でも、これは本当に避けられないところなんです。

しかも、本当にありがたいことに、今の時代、
ネットがあります。

ネットの存在のおかげで
工夫の仕方しだいでは、インディーズでも充分勝負になる、そう思っています。

そして、ネットの存在のおかげで、
メジャーとはまったく違う戦略をとれる、そう考えています。

それは、タイアップやイメージ広告に頼らない戦略。


次回、さらに突っ込んだ話をします。


PS

久しぶりの配信なのに短くなって申し訳ありませんm(_ _)m

というか、本題に入れませんでした(汗)

ただ、一つの仕事の片がついたおかげで今後はもう少し配信できますんでご勘弁を。

年内、今年の締めくくりとして、あと何回かこの話題を続けたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。


PPS

結局今年は自分自身の音楽活動は復帰できませんでしたが、
来年こそは必ずやります。

そして、僕がどういう方法で活動していくのか、またその結果どうだったのかは
メルマガやレポートを通じて報告していきます。

それは本当の実践記録です。


楽しみにしていてください(笑)

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