◆リズムは創る?
歌をうたう人、歌がうまくなりたい人、
そういう人たちの悩みのひとつに「リズム感」というものがあります。
今日は、そんな「歌のリズム感」についてのお話。
でも例の如く、天邪鬼な僕の逆説的な表現での話し(笑)
例えばリズム感というと、まず正確にリズムを刻む
というところを意識するところからはじめると思います。
常に頭の中で、「ワン、ツー、スリー、フォー」と意識しながら
曲を追っていく、
最初はそんな感じでしょうか?
たぶん、ヴォイストレーナーの先生方も
正確にリズムを刻む練習をさせると思います。
確かにそれは重要なことなんですが、
実は実際の歌の中には正確なリズム感だけでは通用しない、
歯が立たない曲、
そんな曲が存在します。
また、自分らしさや、個性、
自分なりの表現をする上で、正確なリズム感だけでは
創り出せない、生み出せない、
そんなことが出てきます。
例えば「スローブルース」
言葉だけでは判りにくいんで実際に曲を聴いてみて下さい。
B. B. King - How Blue Can You Get
映画「ブルースブラザース2000」より
http://jp.youtube.com/watch?v=--QTYd2i8c4
この曲、スローブルースの名曲中の名曲、
実は僕も昔よく歌っていました(笑)
この曲の歌の最初の入りの部分
「I've been down hearted baby ever since the day we met
I've been down hearted baby ever since the day we met」の部分、
非常にシンプルな歌詞とリズムなんですが
これを正確なリズム感ということを意識して歌うと
まず、うまく歌えません。
正確なリズム感ということを意識して歌うと、
とてもBB Kingのような歌にはならないんです。
また、BB King自身は歌うたびにこの歌の入る部分のタイミングが変わります。
その日の気分で(笑)歌うタイミングが変化するんですね。
正確にリズムを数えながら歌えるかやってみてください。
やればやるほど頭を抱えていくと思いますよ(笑)
じゃあ、どうするか?
こういう場合の曲は自分でビート、リズムを創り出して行かなければいけません。
どこで、歌いだすか自分なりのビート感を持っていないといけないんです。
BB Kingの歌に引っ張られたらまずうまく歌えない、
たぶん中途半端になると思います。
こういうのはブルース曲の典型なんですが
とてもゆっくりとしていて、詞(歌)をはめ込むスペースが広大なときには
正確さよりも、イマジネーションする力が重要になるんです。
キースリチャーズが
「静寂こそ、ミュージシャンにとっての最大のキャンパスだ」
と、言ったことと同じように、
広大なスペースに、自分なりの歌をはめ込む作業というのは
正確なリズム感より、イメージ力が重要になるんです。
まさしく広大な真っ白のキャンパスに自分の音を描くかの如くの
イメージ力が。
さらにゆっくりな曲じゃなくてもこれは当てはまります。
詞の譜割りとも関わってくるんですが、
自分なりの、単語をリズムに乗せるタイミング、
というものを、いいシンガーは持っています。
すいません、これは言葉でうまく説明できないんですが
例えば、映画「ドリームガールズ」の中で
ビヨンセ?でしたっけ。
彼女が歌うシーンで、所々引っ掛けて、というか引っ張って歌うところが
凄く気になったんですが、
普通なら、ちょっとしないタイミングで歌うところが2箇所か3箇所かあって。
最初、間違ったのかなあ?って(笑)
そんなことありえないんですけどね。
でも、1回だけじゃなかったんで、ああ、そういう歌い方なんだあ、と判ったんですけど
たぶん、日本人があれをやったら注意されるんじゃないかなあ。
と、思ったほどなんですが。
それでも、
歌うタイミングやビート感で、本当に個性が出るなあと感じたんです。
正確なリズム感は大切なことです。
でも、リズムに関してはそれで終わっては絶対にいけません。
リズム、ビートを創る、
そういう意識を持つべきです。
もう少し、ビートについて続けたいと思いますんで
次回もその話を(たぶん(汗))
PS
今日紹介した曲、
B. B. King - How Blue Can You Getですが、大好きな曲です。
また、それ以上に僕にとっては意味のある曲、
ブルースを歌うことに少し自信を持たせてくれた曲なんです。
5年ほど前に、僕はテッドウィリアムスというブルースシンガーの
前座をさせていただいたことがあります。
テッドウィリアムスという方は、
そんなに有名なブルースミュージシャンではありませんが、
デトロイトブルースの帝王と言われたジョン・リー・フッカーのいとこで
もう50年以上をブルースの世界で生きている方。
日本人の著名人がいくらブルースのことを語っても
とてもかなわない存在感、価値を持っている人です。
そんな人の前座でHow Blue Can You Getを歌うなんて
無謀としか言いようが無いんですが(汗)
でも、テッドは僕の歌うHow Blue Can You Getをえらく気に入ってくれ
ライブ後に僕がサインを求めると(着ていた白いYシャツの背中に書いてもらったんです)
サインとともに「Good Blues!」と書いてくれたんです。
そしてそのサインをテッドのバンドのメンバーに見せびらかすようにして。
それが僕の少しばかりの自信の素になりました。
テッドの曲はこちらで聴けます。
http://floydlee.com/store.htm青字の曲が視聴可能です。
オフィシャルはこちら
http://www.floydlee.org/左下のJapaneseから日本語ページに飛びます。
ぜひ聴いてみて下さい。
